『バター』と『マーガリン』の違い
バターとマーガリンは、パンに塗ったり、お菓子作りに使ったりと、様々な用途で用いられる食材です。
しかし、同じ乳製品に見えても、実は原料、味、栄養など様々な点で違いがあります。
原料
バターは、牛乳から脂肪分である乳脂肪を取り出して固めたものです。
乳脂肪分80%以上、水分16%以下と、厳格な規格で定められています。
一方マーガリンは、植物油脂を主原料に、乳化剤、食塩、ビタミンなどを加えて作られます。
植物油脂は、コーン油、大豆油、なたね油などが一般的です。近年では、動物性油脂や乳成分を含むものも増えています。
味
バターは、乳脂肪特有のコクと風味が特徴です。
濃厚な味わいで、パンに塗ったり、お菓子作りに使うと風味が豊かに仕上がります。
マーガリンは、植物油脂を使っているため、バターに比べるとあっさりとした味わいです。
近年では、バター風味のものや、乳成分を加えてコクを出したものなど、種類も豊富です。
栄養
バターは、動物性脂肪のため、飽和脂肪酸が多く含まれます。
飽和脂肪酸の過剰摂取は、心臓病などのリスクを高める可能性があります。
一方マーガリンは、植物油脂を使っているため、不飽和脂肪酸が多く含まれます。
不飽和脂肪酸は、体内に吸収されにくく、コレステロール値を下げる効果があります。
近年では、機能性素材を加えたマーガリンも増えています。例えば、DHAやEPAを配合した健康志向のものや、トランス脂肪酸をゼロにしたものなどがあります。
用途
バターは、パンに塗ったり、お菓子作りに使ったりと、幅広い用途で利用できます。
特に、バターの風味を生かした焼き菓子には欠かせない食材です。
一方、マーガリンは、バターよりも融点が低いため、パンに塗りやすく、トーストにも適しています。
バターを使うと重くなる、けれどバターの風味を楽しみたいといった時に代用品として使われることもあります。
価格
バターは、乳脂肪分を原料としているため、マーガリンよりも高価です。
マーガリンは、植物油脂を原料としているため、バターよりも安価に購入できます。
『バター』と『マーガリン』の共通点
このようにバターとマーガリンは、多くの違いがありますが、いくつかの共通点も見られます。
食用油脂
バターとマーガリンのどちらも、主要な成分は食用油脂です。
バターは乳脂肪から、マーガリンは植物油から作られますが、どちらも脂質が80%以上を占めています。
カロリー
バターとマーガリンのカロリーは、ほぼ同じです。
100gあたりのカロリーは、バターは約717kcal、マーガリンは約720kcalです。
調理性
バターとマーガリンは、どちらも融点が低く、パンに塗りやすいという共通点があります。また、加熱すると液体状になるため、お菓子作りにも利用できます。
保存方法
バターとマーガリンは、どちらも冷蔵庫で保存する必要があります。常温では腐敗や風味が損なわれるためです。
ビタミンA
バターとマーガリンの多くは、ビタミンAが添加されています。
ビタミンAは、視力維持や皮膚の健康に重要な栄養素です。
乳化剤
バターとマーガリンの多くは、乳化剤が使用されています。
乳化剤は、水と油を混ぜ合わせ、安定させる役割があります。
『バター』と『マーガリン』の違い・共通点まとめ
バターは、牛乳から脂肪分である乳脂肪を取り出して固めたもので、動物性脂肪のため飽和脂肪酸が多く含まれ、乳脂肪特有のコクと風味が特徴です。
マーガリンは、植物油脂を主原料に、乳化剤、食塩、ビタミンなどを加えて作られ、植物油脂を使っているため不飽和脂肪酸が多く含まれ、バターと比べるとあっさりとした味わいが特徴です。
しかしバター、マーガリンともに、主要な成分は食用油脂で、どちらも冷蔵庫での保存が必須、カロリーもほぼ同じの約700kcalということがわかりました。
それぞれの違いと共通点を理解して、用途に合わせて使い分けることが大切です。
コクを出したい時はバター、あっさりと食べたい時はマーガリンだな
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