『CT検査』と『MRI検査』の違い
CT検査とMRI検査は、どちらも体内の状態を画像で診断する検査ですが、それぞれ異なる原理と特徴を持っています。
原理
CT検査は、X線を利用して体の断面を撮影し、コンピュータ処理で画像を再構成します。骨や肺などの密度の高い組織は白く、筋肉や脂肪などの密度の低い組織は黒く表示されます。
MRI検査は、強い磁場と電波を利用して、体内の水素原子の磁気共鳴現象を画像化します。水素原子の多い組織は明るく、少ない組織は暗く表示されます。
画像の特徴
CT検査
- 骨や肺などの硬組織のコントラストが優れています。
- 細かい構造まで鮮明に描写できます。
- 造影剤を使用することで、血管や臓器の状態をより詳細に観察できます。
MRI検査
- 軟部組織や血管、神経などのコントラストが優れています。
- 筋肉、靭帯、軟骨などの細かい構造を鮮明に描写できます。
- 造影剤を使用せずに血管の状態を観察できます。
検査時間
CT検査
- 撮影時間は数秒から数十秒と短時間で済みます。
- 検査全体でも10~30分程度で終了します。
MRI検査
- 撮影時間は数分から数十分とCT検査より長くなります。
- 検査全体でも30~60分程度かかります。
被曝
CT検査
- X線を使用するため、被曝があります。
- 被曝量は検査部位や撮影方法によって異なりますが、一般的には数mSv程度です。
MRI検査
- X線を使用せず、磁場と電波を利用するため、被曝がありません。
検査の目的
CT検査
- 骨や肺などの異常、出血、腫瘍などを診断するのに適しています。
- 緊急性の高い検査にも適しています。
MRI検査
『CT検査』と『MRI検査』の共通点
このようにCT検査とMRI検査は、原理や画像の特徴などに違いがありますが、以下のような共通点があります。
画像診断装置としての共通点
体の内部を断層画像で観察できる
- 両検査とも、体の各部位を層状に撮影することで、骨、筋肉、臓器など様々な組織の状態を詳細に観察することができます。
- 得られた画像は、診断や治療計画の立案に役立ちます。
非侵襲的な検査である
- どちらも体内に針を刺したり切開したりすることなく、体の内部を検査することができます。
- 患者さんへの負担が少なく、安心して検査を受けることができます。
画像情報としての共通点
断層画像
- 両検査とも、体の各部位を層状に撮影した断層画像を取得します。
- 医師はこの断層画像を組み合わせて、立体的な画像を構築することができます。
多様なコントラスト
- CT検査とMRI検査は、異なるコントラストメカニズムを用いることで、様々な組織を強調して画像化することができます。
- 例えば、CT検査では骨を強調して画像化することができ、MRI検査では筋肉や脂肪を強調して画像化することができます。
三次元画像
- 両検査とも、三次元画像を構築することができます。
- 三次元画像を用いることで、複雑な形状の臓器や組織をより詳細に観察することができます。
その他の共通点
医師の経験と知識が必要
- 得られた画像を正確に診断するには、医師の高い経験と知識が必要です。
- 画像診断は、医師と患者さんとのコミュニケーションが重要です。
検査時の体勢
- ドーナツ状の装置に寝台が設置されており、検査中は動かないようにする必要があります。
- 閉所恐怖症の方にとっては、検査がつらいと感じる場合があります。
検査費用
- CT検査とMRI検査は、他の検査と比較すると費用が高額になる場合があります。
- CT検査は3,000円~10,000円程度、 MRI検査は7,000円~20,000円程度です。
- 造影剤を使用する場合は、さらに費用がかかります。
- 検査を受ける前に、費用について確認しておくことが大切です。
『CT検査』と『MRI検査』の違い・共通点まとめ
C T検査は、X線を利用して体の断面を撮影し、コンピュータ処理で画像を再構成します。そのため骨や肺などの硬組織のコントラストが優れており、細かい構造まで鮮明に描写できます。撮影時間は数秒から数十秒と短時間で済みますが、X線を使用するため被曝があります。
MRI検査は、強い磁場と電波を利用して、体内の水素原子の磁気共鳴現象を画像化します。そのため軟部組織や血管、神経などのコントラストが優れており、筋肉、靭帯、軟骨などの細かい構造を鮮明に描写できます。撮影時間は数分から数十分とCT検査より長くなりますが、X線を使用せず磁場と電波を利用するため、被曝はありません。
しかしCT検査、MRI検査ともに、体の各部位を層状に撮影することで、骨、筋肉、臓器など様々な組織の状態を詳細に観察することができる、体内に針を刺したり切開したりすることなく、体の内部を検査することができるといった共通点もあります。
それぞれの検査には得意分野や特徴があり、検査を受ける目的や部位、患者さんの状態によって、どちらの検査が適しているかが決まります。医師と相談しながら、自分に合った検査を選びましょう。
検査するとき、ドキドキするよなあ
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